背景
MarkdownをHTMLに変換する際、通常の処理ではHTMLタグ内部のMarkdown記法は基本的に無視されます。
例えば、
<div class="mycss">
ここに**スタイル**を適用
</div>
のように書いた場合、スタイルに太文字は適用されません
しかし、特定のHTMLタグ内に含まれるMarkdown記法をHTMLに変換するしたい場合もあると思います。ここでは、PythonとBeautifulSoupを使用して、その処理方法を解説します。
方法
基本的な方針は、mycssで囲まれている<div>
タグの中身を取得して、その中身をmarkdownモジュールを使って、HTMLに変換して、再度<div>
で囲みます。
以下のコードでは、<div class="mycss">
タグ内に含まれるMarkdown記法をHTMLに変換し、その結果を元のHTML構造に組み込む方法を説明します。
from bs4 import BeautifulSoup
import markdown
def convert_to_html_and_display(markdown_text):
"""
MarkdownをHTMLに変換し、必要ならその結果を表示する関数
"""
# MarkdownをHTMLに変換
html = markdown.markdown(markdown_text)
return html
def parse_mydiv(html):
# BeautifulSoupでHTMLを解析
soup = BeautifulSoup(html, 'html.parser')
# <div class="mycss">の中身を抽出して変換
divs = soup.find_all('div', class_='mycss')
if divs:
for div in divs:
markdown_content = div.decode_contents()
converted_html = convert_to_html_and_display(markdown_content)
# 変換したHTMLを再設定
div.clear()
div.append(BeautifulSoup(converted_html, 'html.parser'))
# 全体のHTMLを再構築
result_html = str(soup)
return result_html
# 例として、以下のHTMLを処理
html = '''
<div class="mycss">
**Bold Text** and _italic_ inside a div.
</div>
<p>Regular paragraph.</p>
'''
converted_html = parse_mydiv(html)
print(converted_html)
コードの説明
-
BeautifulSoupでHTML解析
BeautifulSoup
を使用して、HTML構造を解析します。これにより、HTML内の特定の要素を簡単に操作できるようになります。 -
指定されたdivタグを抽出
soup.find_all('div', class_='mycss')
を使用して、特定のCSSクラスを持つ<div>
タグをすべて抽出します。 -
MarkdownをHTMLに変換
抽出した<div>
タグ内のコンテンツをmarkdown.markdown()
関数を用いてHTMLに変換します。これにより、Markdown記法が適切なHTMLタグに置き換えられます。 -
変換したHTMLを再設定
変換されたHTMLを元の<div>
タグに再設定し、全体のHTMLを再構築します。
実行結果
上記のコードを実行すると、<div class="mycss">
内部のMarkdown記法がHTMLに変換され、以下のような出力が得られます。
<div class="mycss">
<strong>Bold Text</strong> and <em>italic</em> inside a div.
</div>
<p>Regular paragraph.</p>