WordPressで記事を書いているとLatexで書いた数式を表示したいケースがあると思います。
今回は、そのような場合に簡単に数式表示ができるようになるMathJaxの使い方を紹介します。
MathJaxについて
MathJaxは、ウェブページ上で数式を美しく表示するための強力なJavaScriptライブラリです。特に、数学や物理の文献、論文、教材などで広く使用されています。このライブラリは、TeX、LaTeX、MathMLなどの数式記法をサポートし、数式をHTML、SVG、またはMathML形式で表示することができます。MathJaxは、ページ内の数式をクリーンで正確にレンダリングし、ブラウザ間の互換性を確保します。
MathJaxの主な利点の一つは、数式がユーザーのデバイスで動的にレンダリングされることです。これにより、異なる解像度やデバイスタイプに対応し、数式が常に最適な品質で表示されます。さらに、MathJaxはアクセシビリティにも配慮しており、スクリーンリーダーなどの支援技術と互換性があります。
MathJaxの設定は非常に柔軟で、必要に応じてカスタマイズが可能です。例えば、数式の表示スタイルを変更したり、特定のパッケージや拡張機能を追加したりすることができます。また、MathJaxは非同期で読み込まれるため、ページのパフォーマンスに影響を与えることなく数式をレンダリングできます。
WordPressや他のCMSでMathJaxを使用するには、簡単な設定を行うことで数式の表示を実現できます。スクリプトの読み込みと設定を行い、数式を適切な形式で埋め込むだけで、ページ上に美しい数式を表示することができます。これにより、教育資料や技術文書のクオリティが格段に向上し、読者にとって理解しやすいコンテンツを提供することができます。
MathJaxは、その高いカスタマイズ性と互換性、そして美しい数式表示の能力により、数式を頻繁に扱うあらゆるウェブサイトで利用されています。数式の視覚的な表現にこだわるなら、MathJaxは非常に有用なツールです。
WordPressでのMathJaxの使い方
- WordPressダッシュボードにログインします。
- 左側のメニューから「外観」を選択し、「テーマエディター」をクリックします。
- 右側のファイルリストから「ヘッダー (header.php)」ファイルなどの
<head>
を編集できるファイルを選択します。 <head>
タグの中に以下のスクリプトを追加します。
<script type="text/javascript" async
src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@3/es5/tex-mml-chtml.js">
</script>
設定はこれだけです。
例えば、Cocoonテーマを使っている場合には、tmp-user/header-insert.php
に上記のコードを追加することで利用可能になります。
数式の表示
投稿やページに数式を埋め込む際には、通常通りブロックにLatexを記述すると表示できます。
例えば、以下のように記述します。
\(100 \times (1 + r_1)(1 + r_2)(1 + r_3) + 100 \times (1 + r_2)(1 + r_3) + 100 \times (1 + r_3)\)
これを表示すると
このように数式になります。
コードエディターでhtmlとして入力することも可能です。
<p>インライン数式: \(100 \times (1 + r_1)(1 + r_2)(1 + r_3) + 100 \times (1 + r_2)(1 + r_3) + 100 \times (1 + r_3)\)</p>
<p>ブロック数式:</p>
$$
100 \times (1 + r_1)(1 + r_2)(1 + r_3) + 100 \times (1 + r_2)(1 + r_3) + 100 \times (1 + r_3)
$$
次のように表示されます。
このように非常に簡単に数式表示を可能にできるので、ぜひ設定してみてください。
この設定の場合、数式部分を、<script type="math/tex">
タグで記述した場合には、うまく表示されません。
<script type="math/tex">
でも表示するための設定は下記の記事で紹介しています。