✅ 声調(トーン)とは?
中国語では、同じ音でも声の上げ下げ(声調)によって意味がまったく変わります。
たとえば「ma」という音に4つの声調をつけると:
声調 | 発音(ピンイン) | 調子 | 意味 |
---|---|---|---|
第1声 | mā | 高く平らに伸ばす | 母(お母さん) |
第2声 | má | 上昇調(疑問調のように) | 麻(あさ) |
第3声 | mǎ | 低く落としてから少し上げる | 馬(うま) |
第4声 | mà | 急激に下げる(命令口調っぽく) | 罵(しかる) |
つまり、「ma」という音だけで4つの全く違う意味になるということです。
✅ 各声調の特徴とコツ
▶ 第1声(陰平)
- ピンイン:mā
- 調子:──(高くて平ら)
- 例:mā(妈:お母さん)
- 発音のコツ:音を高く保ったまま平らに伸ばす。日本語の「歌の高音パート」をイメージ。
▶ 第2声(陽平)
- ピンイン:má
- 調子:/(中から上に上がる)
- 例:má(麻:あさ)
- 発音のコツ:「えっ?」と驚いて聞き返すときのようなイントネーション。
▶ 第3声(上声)
- ピンイン:mǎ
- 調子:∨(一度低くして少し上げる)
- 例:mǎ(马:うま)
- 発音のコツ:まず低く落として、ちょっとだけ上げる感じ。ただし、会話では省略されて発音されることも多い(例:2つ連続する第3声では最初の第3声が第2声に変化する)。
▶ 第4声(去声)
- ピンイン:mà
- 調子:\(高めから一気に下げる)
- 例:mà(骂:しかる)
- 発音のコツ:命令するように、勢いよく下げる。怒っているときのトーンに近い。
✅ 軽声(軽いトーン)
実は4つの声調に加えて「軽声(qīngshēng)」というトーンがあります。
- トーン記号はつかない(例:ma)
- 音を軽く短く発音する
- 例:「妈妈」(māma) → 最初は第1声、後ろの「ma」は軽声
- よく使われる単語の語尾などに多い
✅ 声調はなぜ大切?
例:「你骂马吗?」(nǐ mà mǎ ma?)
- 直訳:「あなたは馬を叱ってるの?」
- 全部「ma」ですが、声調の違いで意味が全く変わる
→ 声調が違うと誤解されるので、正しく覚えることが大事です。
✅ 声調記号の基本
前半で確認したように、中国語には 4つの声調 + 軽声(軽く読む) があります:
声調 | 記号 | ピンイン例 | 読み方の例 | 意味 |
---|---|---|---|---|
第1声 | ˉ(高く平ら) | mā | まー | 母(妈) |
第2声 | ˊ(上がる) | má | ま↗ | 麻(麻) |
第3声 | ˇ(下がって上がる) | mǎ | まˇ | 馬(马) |
第4声 | ˋ(下がる) | mà | まっ! | 叱る(骂) |
軽声 | (記号なし) | ma | ま(軽く) | 疑問助詞など |
中国語の**声調記号(ピンインの上につく記号)**には、つける位置のルールが厳密に定められています。
このルールを理解すると、正しい読み方や辞書の使い方がぐっと楽になります。
✅ 記号をどの母音に置くかのルール
ピンインには複数の母音があることが多いため、どの母音に記号を置くかがルール化されています。
🔵 基本ルール(母音の優先順位)
a > o > e > i > u > ü
つまり:
- a があれば必ず a に置く
- a がなければ o に置く
- o もなければ e に置く
- 以下同様に、i, u, ü の順で決まる
✅ 具体例
ピンイン | 声調記号の位置 | 説明 |
---|---|---|
hǎo | 「a」に ˇ | a があるのでそこに置く |
guó | 「o」に ˊ | a はない → o に置く |
xué | 「e」に ˊ | a/o がない → e に置く |
xiě | 「e」に ˇ | a/o がない → e に置く |
liú | 「u」に ˊ | a/o/e がない → i もなく u に置く |
jiāo | 「a」に ˉ | a があるのでそこに置く |
🔶 特例(i と u 両方ある場合)
ピンイン | 正しい位置 | 説明 |
---|---|---|
shuì | 「i」に ˋ | i, u の場合は後に来る方につける |
kuài | 「a」に ˋ | a があるので迷わず a に置く |
liú | 「u」に ˊ | i より後ろの u に置く(i/u 両方あるときのルール) |
✅ 軽声(軽く読む)は記号なし
例:māma(妈妈:お母さん)
→ 「mā」は第1声、「ma」は軽声(=記号なし)
✅ 補足:声調の入力と練習について
- スマホやPCで声調付きピンインを打ちたい場合は、数字(1〜4)を使うと自動変換できる入力法もあります(例:ma3 → mǎ)
- Ankiなどの単語帳では数字表記(ma1, ma2…)が一般的
- 発音練習では、記号の形(平・上がり・下がりなど)と声の動きを結びつけて覚えると効果的!
✅ 練習のためのまとめ表
パターン | 記号位置 | 例 | ルール |
---|---|---|---|
a を含む | a に置く | hǎo | 最優先 |
o を含む(aなし) | o に置く | guó | a の次に優先 |
e を含む(a/oなし) | e に置く | xué | 次に優先 |
i/u/üのみ | 後に来る音に置く | liú | i, u → 後ろ |
軽声 | 記号なし | ma(māma) | 軽く発音 |