【運用パフォーマンス評価】リスクの計算について

投資・ファイナンス

前回は、リターンの計算方法について、見てきましたが、今回は、リスクの計算方法について見ていきます。

基本的なリスクの計算

最も一般的なリスク指標は標準偏差で、これはポートフォリオのリターンが平均からどれだけ離れているかを示します。

リスクの標準偏差の計算方法は次の通りです:


: 期間 のポートフォリオのリターン
: ポートフォリオの平均リターン
: 期間の数

例えば、ポートフォリオのリターンが以下のようであった場合を考えます

期間 ポートフォリオリターン ()
1 8%
2 10%
3 6%
4 12%

平均リターン () は:

標準偏差 () は:










したがって、このポートフォリオのリスク(標準偏差)は約2.24%です。

トラッキングエラー

トラッキングエラー(Tracking Error)は、ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンの差(超過リターン)の変動性を測定する指標です。この指標は、ポートフォリオのリスクをベンチマークに対して評価する際に使用されます。トラッキングエラーが小さいほど、ポートフォリオのリターンはベンチマークのリターンに近いことを示します。

トラッキングエラーは、ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンの差の標準偏差として計算されます。つまり、超過リターンの標準偏差を求めることになります。

トラッキングエラー

指標の説明

トラッキングエラー(Tracking Error)は、ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンの差(超過リターン)の変動性を測定する指標です。この指標は、ポートフォリオのリスクをベンチマークに対して評価する際に使用されます。トラッキングエラーが小さいほど、ポートフォリオのリターンはベンチマークのリターンに近いことを示します。

計算方法の数式

トラッキングエラーは、ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンの差の標準偏差として計算されます。


: ポートフォリオのリターン(期間
: ベンチマークのリターン(期間
: 超過リターンの平均
: 期間の数

例えば、あるポートフォリオとベンチマークのリターンが以下のようであった場合を考えます。

期間 ポートフォリオリターン () ベンチマークリターン ()
1 10% 8%
2 12% 11%
3 8% 7%
4 15% 10%

超過リターン () は以下の通りです:
– 期間1: 10% – 8% = 2%
– 期間2: 12% – 11% = 1%
– 期間3: 8% – 7% = 1%
– 期間4: 15% – 10% = 5%

超過リターンの平均 () は:

トラッキングエラーを計算すると:








したがって、このポートフォリオのトラッキングエラーは約1.64%です。

事後リスクと事前リスクについて

さて、ここまでは、実際にポートフォリオのリターンが存在していた場合にそのリターンデータを使って、標準偏差を求めるリスクを消化しました。このように、事後的にヒストリカルデータを使って、ポートフォリオのリスクを求めたリスクを事後リスクと呼びます。
しかし、ポートフォリオ構築において、より重視されるのは、これからのリスクになります。そのようなリスクを事前リスクや推定リスクと呼びます。推定リスクの算出方法はいくつかあります。
単純にこれまでとポートフォリオの構成が変わらず、ポートフォリオの構成銘柄のリスクも変わらないと考えるのであれば、ヒストリカルデータを使うことができます。一方で、リバランスを行った場合には、これまでのポートフォリオのヒストリカルリスクを使うことはあまり望ましくありません。そのような場合には、各銘柄のウェイトをもとに個別銘柄のリスクからポートフォリオのリスクを推定する方法や、リスクモデルを使ってリスク推定する方法が用いられます。
ここでは詳しくは説明しませんが、リスクモデルを使った推定は、個別銘柄を複数のリスク要因に分解し、それぞれの要因(ファクター)のリスクを計測することで、ポートフォリオのリスクを推定する方法になります。個別銘柄のリスクに比べて、ファクターのリスクの方が安定していると考える場合には、こちらの方がより精度の高いリスク推定が可能です。

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