オブジェクト指向UI(OOUI)とは?
オブジェクト指向UI(OOUI)、またはObject Oriented UIとは、ユーザーインターフェースの設計において「もの」を中心にしたアプローチです。具体的には、ユーザーがまず「もの」を選び、その後に「アクション」を選択するという考え方に基づいています。
- 「もの」からアクションを選ぶ: ユーザーはまず「もの」を選び、その後でその「もの」に対して実行したい「アクション」を選びます。
実際の使用例(音楽プレイヤーアプリ)
音楽プレイヤーアプリでは、ユーザーが「曲」や「アルバム」といった「もの」を選択し、その後に「再生」「一時停止」「追加」などのアクションを実行します。
- 曲一覧画面: ユーザーが曲やアルバムを一覧から選択します。
- 曲詳細画面: 選択した曲に対して、「再生」「一時停止」「お気に入り追加」などのアクションが可能です
タスク指向UI(TUI)とは?
タスク指向UI(TUI)、またはTask Oriented UIは、オブジェクト指向UIとは逆のアプローチです。ユーザーがまず「アクション」を選択し、その後で「もの」を選ぶという考え方に基づいています。
- アクションからものを選ぶ: ユーザーは先に「アクション」を選び、その後でそのアクションに必要な「もの」を選びます。
実際の使用例(プロジェクト管理ツール)
プロジェクト管理ツールでは、ユーザーが「タスクの作成」や「プロジェクトの進行状況を確認」といった具体的なアクションを選択することが多いです。以下のようなプロセスが考えられます。
- タスク作成画面: ユーザーが「新しいタスクを作成」というアクションを選択します。タスク作成画面では、タスクのタイトル、期限、担当者などの情報を入力するフィールドが表示されます。
- プロジェクト進行状況確認画面: ユーザーが「プロジェクトの進行状況を確認する」アクションを選択します。これにより、現在のタスクの進捗状況や完了したタスク、未完了のタスクが一覧表示されます。
オブジェクト指向UIのメリット
オブジェクト指向UIには以下のようなメリットがあります。
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ユーザーが自由にアクションを選べる:
オブジェクト指向UIは、ユーザーが直感的に「もの」を認識し、その上で複数の「アクション」を自由に選ぶことができます。例えば、写真アプリでは、写真を見ながらシェアや編集といった複数のアクションを簡単に行えます。 -
シンプルな情報構造:
情報が「もの」に基づいて構造化されるため、画面数が少なくなり、ユーザーが操作しやすくなります。複雑なタスクが必要な場合でも、オブジェクト指向UIは簡潔な情報構造を提供します。
オブジェクト指向UIが向いていない場合
オブジェクト指向UIが適していない場合もあります。それは以下のような状況です。
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「もの」が単一のものに限定されている場合:
ATMのように、選ぶ「もの」が限られていて「アクション」が明確な場合、オブジェクト指向UIは逆に画面数を増やし、ユーザビリティを低下させる可能性があります。 -
「もの」が定まっていない場合:
メールソフトや物件検索サイトのように、「もの」が無数に存在する場合、オブジェクト指向UIではユーザーが選択する際に困難を感じることがあります。このような場合、先に「アクション」を選ぶタスク指向UIの方が適しています。
まとめ
オブジェクト指向UI(OOUI)とタスク指向UI(TUI)は、UI/UX設計において異なるアプローチを提供します。
- オブジェクト指向UIは「もの」を中心に、ユーザーが「もの」を選んでから「アクション」を選ぶ形式です。
- タスク指向UIは「アクション」を中心に、ユーザーが先に「アクション」を選び、その後で「もの」を選ぶ形式です。
それぞれのアプローチにはメリットと適用場面があり、状況に応じて使い分けることでより良いユーザー体験を提供できます。適材適所でのUI設計を行うことで、ユーザーにとって使いやすいインターフェースを実現できるようになります。